過払い金請求を検討しているが、実際に請求する前にどんなデメリットがあるかを把握しておくことは大切です。
本稿では過払い請求のデメリットやそれを回避するための対処法をわかりやすく解説します。

過払い金請求とは？

過払い金請求とは、クレジットカード会社や消費者金融会社などに支払いすぎた金利の返還請求をすることを指します。
現在、「利息制限法」という法律で、1年の金利の上限が15パーセントから20パーセントと決められています。
しかし、以前の「出資法」という法律では1年の金利の上限が29.2パーセントとなっていました。
利息制限法の年利の上限を超えたとしても、一定の条件を満たしたうえで出資法の上限を超えなければ有効とされていたことで、多くの貸金業者が利息制限法の上限を超える金利でキャッシングをしていました。
高金利の借り入れが行われることを問題視した国は、出資法の上限金利を利息制限法と同じにし、また利息制限法を超える部分の金利は無効としました。
利息制限法を超える部分の金利が無効であることは、改正法施行前の2010年6月より前の取引にも適用されたため、すでに支払った超過金利による利息が払い過ぎとなりました。
そして、これを取り戻すために貸金業者などに対し、過払い金請求を行う方が増えました。

過払い金請求のデメリットとは？

過払い金請求を行った場合、貸金業者に支払いすぎた金利分のお金を取り戻すことができることは大きなメリットといえます。
しかし、一方で次のようなデメリットがあります。

• 金融事故として登録される可能性がある
• 過払い金請求をした会社と取引できなくなる可能性がある
• 貸金業者との交渉を自力で行うことは困難

それぞれ確認していきましょう。

金融事故として登録される可能性がある

過払い金請求を行うデメリットとして、信用情報機関に金融事故として登録される可能性がある点です。
過払い金請求を行った場合の信用情報への影響は、請求時の状況によって異なります。
完了している場合の過払い金請求をしても、信用情報には影響しません。
完済していない状態で過払い金請求をすると、一旦は信用情報に記録されますが、過払い金請求をすることにより残高がゼロになると、その信用情報への記録は消えます。
ただし、過払い金請求をしてもなお残高が残っている場合は、事故の情報は消えずに残ることになります。

過払い金請求をした会社と取引できなくなる

過払い金請求を行うデメリットとして、請求した会社に対し、新たな借り入れができなくなる可能性がある点が挙げられます。
貸金業者やクレジットカード会社では、顧客の滞納履歴などを理由に独自の判断で借り入れを拒否することができます。
過払い金請求を行う顧客は貸金業者などにとってリスクがある顧客であると判断されることがあるため、新規の借り入れができなくなることがあります。

貸金業者との交渉を自力で行うことは困難

過払い金請求を行うデメリットとして、貸金業者などと交渉を行うことが自力では困難であることが考えられます。
過払い金請求をするには、金利を引き直して過払い金の額を正しく計算する必要があります。
また、貸金業者は過払い金請求をしてもすんなりと応じてくれません。
そのため、自力で過払い金請求を行う場合には、知識や交渉に精通した貸金業者と交渉していかなければなりません。
貸金業者との交渉は、任意整理と同様、司法書士や弁護士という専門家がいないと難しいです。
さらに、交渉がうまくいかない場合には、裁判を検討する必要があり、こちらも自力で行うことはほぼ不可能に近いといって良いでしょう。

過払い金請求を行うときの対処法は司法書士などの専門家に依頼すること

過払い金請求は、弁護士のほか、請求金額が1社につき140万円以下であれば、認定司法書士に依頼することができます。
過払い金請求を司法書士に依頼した場合、さまざまなサポートを受けられます。
たとえば、金利の引き直し計算を行い、どれくらい取り戻せるかどうかを確認できます。
また、貸金業者との交渉なども任せることができ、交渉がうまくいかなかったとしても簡易裁判所での裁判の対応を行うことができます。
さらに、過払い金請求を検討されている方の中には、現在複数の借金を抱えて困っている方もいらっしゃると思います。
このようなケースでは過払い金請求を行い、借金を完済できるのか、できない場合他の手段があるのかなどの相談を行うことができます。

まとめ

今回は、過払い金請求を行うときのデメリットや、行うときの対処法について考えていきました。
過払い金請求を行った場合、状況によっては少なくない金額が手元に戻ってくる、引き直し計算によって返済中であった借金の返済を免れるというようなメリットがあります。
しかし、一方で貸金業者との交渉を自力で対応することはかなり難しく、金利の引き直し計算もどのようにすればいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
司法書士法人エベレストでは、過払い金請求を検討されている方からお話を伺い、状況に合ったサポートを行っております。
お困りの方は当事務所にご連絡ください。