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【司法書士が解説】自己破産による保証人への影響や対処法

保証人や連帯保証人をつけて借金している場合、自己破産すると保証人に迷惑をかけてしまうケースがあります。
この記事では自己破産による保証人への影響と対処法について司法書士が詳しく解説します。

自己破産をすると保証人が借金を負うことになる

自己破産とは、裁判所に許可を得ることで申し立てた破産者の返済義務を免除する手続きのことをいいます。
自己破産の効果はあくまで破産したひとにのみ適用されるため、借金の連帯保証人や保証人に課された返済義務はなくなりません。
つまり、連帯保証人や保証人は、債務をおったひとが自己破産すると主債務者に代わって返済しなければならなくなります。

自己破産が保証人へ与える影響とは?

このとき、自己破産が保証人に与える影響として、債権者から債務の一括返済を求められることがあります。
保証人となった債務額が数十万程度と低い金額であるならば、家族などから借り入れを行って返済できるかもしれません。
しかし、住宅ローンのような大きな金額の保証人となっていた場合、一括返済を行える資力を持つ方は少ないと思います。
そのため債務を返済する能力がない場合には、主債務者だけでなく、連鎖的に保証人も自己破産せざるを得なくなります。
自己破産を検討されている方の中には、家族などに保証人になってもらった方も少なくないと思います。
保証人になると決めたのはそのひと自身の意思ではありますが、主債務者が自己破産をした場合、自身とは無関係な借金で自己破産をしなければならなくなります。
実際に、少し古いデータとはなりますが、日本弁護士連合会が2020年に行った調査(※1)によると、主債務者の自己破産を理由に自己破産を行った割合は12.26パーセント(※2)でした。
この結果から考えてみても主債務者の自己破産による保証人の自己破産は、決して珍しいことではないといえそうです。
そのため、自己破産を検討した場合には、保証人の影響を考える必要があります。

※1 2020年破産事件及び個人再生事件記録調査【報告編】参考
※2名義貸しは含んでいない

自己破産するときに注意すべきこと

保証人のついている債務がある場合、自己破産を検討したときには次のような点に注意してください。

  • 保証人がついている借金を先に返済することはしない
  • 自己破産を検討したときには必ず保証人に伝える

それぞれ確認していきましょう。

保証人がついている借金を先に返済することはしない

自己破産をした場合、債権者は連帯保証人や保証人に一括弁済を求めることになります。
そのため、なるべく保証人に迷惑をかけたくないという思いから、保証人のいる債務を優先的に返済したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一社だけに偏って返済する行為は「偏頗弁済」と言って、自己破産の手続き上禁止されている行為です。
偏頗弁済をした場合、最悪のケースではご自身の自己破産が認められなくなる可能性があるため、保証人がついている借金を優先して返済する行為はしないようにしてください。

自己破産を検討したときには保証人に伝える

保証人がついている債務があるときに自己破産をする場合、ご自身だけでなくその保証人にも不利益が降りかかる可能性があります。
そのため、保証人に自己破産することを伝えることが大切です。
債務の連帯保証人や保証人になる方は、借金しているご自身を信頼して、その責任を負います。
ご自身を信じてくれる保証人の方に対して、どんな理由であれ自己破産をすることを伝えるのは、心情的に非常に難しいとは思います。
しかし、保証人に対して迷惑をかけてしまうという後ろめたさから、自己破産をすることを連帯保証人に伝えずに手続きをしてしまうと、かえって人間関係を失わせる結果につながりかねません。
あらかじめ、事情を話しておけば、保証人もどうにか一括返済された債務を支払う手立てを見つけられるケースもあります。
一方、何も言わずに自己破産をした場合、人間関係が壊れてしまうとともに、返済の算段を付けられず、連鎖的に自己破産をしなければならなくなる可能性が高くなります。
どんなに後ろめたくてもきちんとご自身の状況を伝えてください。

自己破産を検討した場合保証人に迷惑をかけない対処法はあるのか

自己破産を検討した場合、保証人に迷惑をかけないようにする対処法はあるのでしょうか。
保証人に迷惑をかけないようにする対処法のひとつとして、任意整理があげられます。
自己破産や個人再生は、債務の免除、または大幅に圧縮できる一方で、保証人がいる場合、手続き後一括請求されてしまうことがあります。
対して、任意整理」という手続きは借金をしている貸金業者と任意で交渉し、利子などをカットしてもらう手続きであるため、うまくいけば保証人に迷惑をかけずに返済額を減額することも可能です。
ただし、任意整理は、自己破産のように借金を免除する手続きではありません。
任意整理を行った後も引き続き返済を行う必要があります。
さらにいえば、任意整理は総体的な支払額を減らすことはできる一方、合意内容によっては月々の返済額が高くなるケースもあります。
そのため、ご自身の状況と合った選択をしないと、かえって生活が苦しくなる可能性も否定できません。
このような場合には司法書士などの専門家に事情を伝えて、どのような債務整理を行うべきなのか相談した方が良いです。
司法書士に相談した場合、ご自身の収入状況や借入額から最適なサポートができるよう尽力してくれます。
自力で解決しようとすると、かえって精神的に追い詰められたり、手続きに不備があったりと被る不利益が大きくなってしまうケースもあるため、難しいと感じたら早期に相談を検討してみてください。

まとめ

今回は、自己破産した場合の保証人への影響などについて解説していきました。
借金の連帯保証人や保証人は、債務者が自己破産や個人再生を行うと、債権者から債務の一括返済を求められる可能性があります。
そのため借金を返済できないと考えたときには早期に対応すべきといえます。
司法書士法人エベレストでは、債務整理にお悩みの方のご相談を承っております。
ご相談者さま、おひとりおひとりの状況を伺いし、より良いサポートが行えるよう尽力しておりますので、お困りの方は当事務所にご相談ください。

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